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2018.9.22ブログ

おもしろ楽器「カズー」を通算【144個】購入しました。音楽って人が切実に欲しているものなのかもしれません。




今年に入って仕入れたカズーの数、合計144個
手元に残っているのが、20個弱なので、120個以上のカズーを何らかの形で普及させました!笑

カズーが、どんな楽器なのかは以前のブログ記事でご覧ください。
「“カズー”を吹こう!!」2018年7月9日)

とにかく、僕が今注目している楽器の一つです。
この楽器の良さは何と言っても「簡単さ」です。
楽器を演奏するための特別な技術訓練がほとんどいらないんですね。

と、ここで「カズー遊び」の音源をひとつお聞きください。

これは、小学生約30人にカズーを配り、4〜5分ほど自由に遊ばせたのち、僕が突然「ドレミの歌」をピアノで弾き始めてみた時の様子です。
(彼らには「ドレミの歌をやる」とは一切予告していませんし、特に普段から練習している曲というわけでもない。)
子供たちは、突然聞こえてきたピアノの伴奏に合わせて、よく演奏しています。
そして何より、なんか楽しそう♪





鍵盤ハーモニカやリコーダーで「ドレミの歌を演奏する」と仮定した場合の必要練習期間。




日本では小学校で学習する楽器の代表格として、鍵盤ハーモニカリコーダーがありますね。
もしかしたら、この2つの楽器は日本で最も普及している楽器とも言えるかもしれませんが、実はこのどちらも決して簡単な楽器ではない、と僕は感じています。

■鍵盤ハーモニカは息を吹きながら指を動かさなくてはならないこと、
鍵盤の位置と音の関係を瞬時に結びつけて捉えられる状態まで訓練が必要なことなどから、
自由に演奏を楽しむという領域までは達するにはかなりの時間を要します。

■リコーダーとなるともっと難しい!!
指使いいだけ気をつけていればOKというものではなく、息の圧、穴をおさえる指の力加減、楽器を構える角度などなど、注意すべき要素が沢山あります。

小学校の音楽の教科書では三年生の初期あたりからリコーダーの学習がスタートし、数年間かけて少しずつ積み上げ、6年生になる頃にはある程度の曲が吹けるまでになるようカリキュラムが設計されています。

▼動画は、六年生のリコーダーテストの課題曲。
僕のピアノ教室に通う六年生の男の子が、学校のテスト対策のために持ってきましたものです。





ここで、かなり荒くですが、小学生が使っている音楽の教科書のカリキュラムを元にして、「ドレミの歌」をあのテンポで演奏できるようにするまでに必要な期間をざっと見積もってみました。

■鍵盤ハーモニカの場合
教科書では三年生の初期の段階で、「指くぐり」「指またぎ」の運指方法を学習し、ハ長調1オクターブの音階を上行・下行ともに弾けるようになることを目指します。
「ドレミの歌」は低いドから高いドまでの1オクターブ内で旋律が完結しますから、音域的には三年生の初期段階でカバーできることになります。

▶︎この時点で、鍵盤ハーモニカの学習がスタートする一年生のころから丸々二年間とちょっとの期間が経過。

ただし、「わかること」と「できること」の間には越えなくてはならない大きな溝があるので、実際に音階を「弾けるようにする」までにはもう少し時間がかかります。

音階がなんとか弾けるようになっても「ドレミの歌」は、音の動きが速い箇所もいくつかあり、その中にところどころ跳躍進行も含まれているので、音階を弾くよりは複雑な運指になります。
もし僕が、鍵盤ハーモニカ用教材として「ドレミの歌」を用いるとしたら、「一学期の3ヶ月間まるまるつぎ込む」という覚悟で計画します。それでも難しいかもしれない。

【結論】
子供が鍵盤ハーモニカで「ドレミの歌」を演奏できるようになるまでの必要期間は早くて2年3ヶ月。



■リコーダーの場合
三年生の後半頃に「低いド」の吹き方を習うことで、ハ長調1オクターブの全ての音を覚えることになります。
ただし、大半の三年生がこの学年のうちに「低いド」を満足に鳴らせるようにはなりません。

まず、小さな手指で全てのリコーダーの穴をおさえること自体が困難なことです。
また、息圧のコントロールも難しい音で、この音だけ単体で取り出せばなんとか鳴らせたとしても、楽曲の中の経過音として「低いド」が出てきた時に、瞬時に対応できるかどうかとなると、これはかなり難しいと言わざるを得ません。

だいたい四年生の後半辺りからは「低いド」の成功率も上がってきているように感じられます。

さて、「低いド問題」をクリアしたとして、速いパッセージのフィンガリングの問題もなかなかのネックになるでしょう。

教科書に掲載されているリコーダー曲の様子から判断して、もし僕が小学生に「ドレミの歌」をリコーダー教材として扱うとしたら、早くて五年生、もしくは六年生頃かな。と思います。

【結論】
子供がリコーダーで「ドレミの歌」を演奏できるようになるまでの必要期間は早くて2年。


■ついでにサックスの場合
せっかくなので、僕が5月から習っているサックスの話。
当然ですが、僕は音楽的知識も、基礎的な音楽能力も一般の方々よりは高いです。
その僕がおよそ5ヶ月、2週間に1回の練習ペースで到達しているサックスレベルは以下です。




「ドレミの歌」ではないですが、恐らく今のレベルだったら「ドレミの歌」も途中ヘコりながらも、なんとか1コーラス吹き切ることは出来るかと思います。
つまり、音楽家の僕が、初めてサックスを練習しはじめてから5ヶ月目でようやく「ドレミの歌」がなんとかギリギリ吹けるレベルまで到達した。ということです。


■そう比較すると、やっぱりカズーは、ずば抜けて簡単に旋律を演奏することができる楽器なんですね。
子供達の「演奏したい欲」をすぐに満たしてくれる利点があります。




人間は「奏でる」ことを切実に欲しているのかもしれない。




・音楽室の楽器をデタラメに鳴らして喜びまくっている子たち、
・気持ち良さそうに鼻歌を歌いながら廊下を歩いている子たち、
・「なんか楽器できたらいいな〜。」と、僕に言ってきてくれる大人たち。


こんなに多くの人が「楽しみたい」と思っている音楽って、そもそもどのようにして生まれてきたものなのでしょうか。


音楽の起源説
■情報伝達 先史時代の人類は、音の響きによる合図を交わすために、ドラム、トランペットを原始的な方法で鳴らし始めた。


■労働起源説
過酷な労働によるストレスを軽減のために、リズムを取り歌い始めた。
あるいは、集団作業の際の合図としてかけ声をかけ合いうことから音楽に発展していった。

■感情の表現
高まる感情、怒り・恐怖・苦悩・喜びを吐き出す手段として、歌を歌い始めた。

いずれにせよ、古代の音楽は、ただ単にそれを聴いて楽しむために創造されたものではなく、人間の他の活動と付随して生まれてきたものであろう。
(参考「新音楽史」H.M.ミラー著/東海大学出版会)



こんな風に、音楽って、日々の生活とかなり密着して生まれてきたものかもしれないんです。
そう考えると、「音を奏でること」は人間が生きるために切実に必要としてきたことだったのかもしれないな。とも思うのです。

・テーブルを叩いただけなのに、その音が嬉しくて笑顔を見せる幼稚園生、
・テキトーに楽器を鳴らし、その音に癒されている小学生たち、
・誰かに聞かせるわけでもなく、ただ一人でカラオケボックスで熱唱し、リフレッシュする大人たち、、、

まだ意識されていないだけで、音楽ってけっこう生活の必需品なのかもしれない。
そんな風に思います。

地道な訓練を要する鍵盤ハーモニカやリコーダー、ピアノなどの学習を通して得られる音楽経験も素晴らしいものだと思います。

でも、ただ単に「今の時間」を何か「音楽的に意味のある音」を奏でて楽しみたい!!
そんな本能的な欲求を満たしてくれる楽器として、今後も「カズー遊び」の可能性を追求していきます。

10月27日(土)17時 〜最高にオシャレでグラマラスな一夜を。






GLAMOROUS NIGHT pre
2018年10月27日(土)17時開演
会場:STATION STUDIO HATAGAYA

【出演】
歌:舟橋千尋、前田めぐみ、鈴木俊介、井出壮志朗、
ピアノ:織井香衣、谷川瑠美、野口幸太
音楽監督:横山修司
ステージング・ディレクター:清水龍之介
会場 :STATION STUDIO HATAGAYA
主催:GLAMOROUS NIGHT project




野口幸太ピアノ教室 新規のレッスンを一旦締め切ります








(2018年9月22日現在)
日吉・綱島地区のピアノ教室です。
現在のところ、レッスン可能な人数が上限に達したため、一旦クローズいたします。
募集状況については、随時ブログ上にてご案内をいたします。

▼当教室のレッスンスケジュールは、「毎週◯曜日◯時」という固定制ではなく、毎月ごとに講師と生徒さんの都合が合う日時を設定しております。
(レッスンのご予約はインターネットの予約システムを利用しています。)
その他詳細につきましては、ピアノ教室のページをご確認の上、お問い合わせフォームからご連絡ください。


「マハゴニー市の攻防」オケ編曲


まる一年かけて編曲を行ったlabo opera絨毯座 「マハゴニー市の興亡」のオケ演奏部分をまとめてみました。
楽しかったな〜〜♪