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2018.9.14ピアノ教室

たぶん、邦楽がアツい⁉︎〜日本人である僕がピアノを弾くということ。



■「この音とまれ!」という漫画をご存知ですか。
僕は読んだことはないのですが、生徒さんの一人にこの漫画のファンの方がいらっしゃいます。
「箏」をテーマにした学園もので、箏のことも本格的に書かれているし、ストーリーも面白いのだそうです。
(作者のアミューさんのお母様が箏教室の主宰、お姉様は箏曲家で、アミューさん本人も3歳の頃から箏に触れていたのだとか。)

漫画の中では色々な箏の曲が登場するのですが、その中には漫画オリジナルの曲もいくつかあります。
その中でも、

「龍星群」
という曲がかなりイイから、これをピアノで弾きたい。
ただ、弾くだけではなく、自分で編曲をしたい。
と言うリクエストをいただき、楽譜を取り寄せて現在取り組み中です。

オリジナルの雰囲気は大事にしつつも、その雰囲気をピアノで再現するためには、色々と工夫の余地もあり、選択肢はほとんど無限に広がりますね。
この生徒さんの編曲も、僕が自分で編曲するものとは全く違うものになるはず。
完成がたのしみです。




塗り替えられた日本人の音感⁉︎




■ところで、僕ら現代の日本人の「音感」って、明治の頃に政府によって“意図的に”塗り替えられたものだということをご存知ですか。

ーー学校で習う歌もJポップもクラシックも、私たちのまわりは西洋からきた音楽ばかり。ーー
(秋岡陽著「自分の歌をさがす 西洋の音楽と日本の歌」より)

ここで言う“西洋からきた音楽”というのは、西洋で生まれた「ドレミファソラシド」の音階で作られている音楽。ということですね。

明治時代、「脱亜入欧」のスローガンのもと、明治政府が様々行った政策のうちの一つが、「日本人の音感、総塗り替えプロジェクト」だったんですね。
それまで、日本で歌われていた唄、演奏されていた楽器、それらを通して日本人が独自に身につけてきた音感を、かなぐり捨てて、西洋の「ドレミファソラシド」の音感に塗り替える。というプロジェクトでした。

そのプロジェクトを遂行するための心臓部として現在の東京芸大の前身である「音楽取調掛(おんがくとりしらべがかり)」という部署が文部省によって設置されたんですね。
その後、次々と設立された私立の音楽大学でも、メインに扱うのは「西洋のクラシック音楽」ばかりで、 現在でも、「邦楽」を専攻できる大学はごく少数に限られています。

実は世界的に見ても、ここまで自国の音楽を“身近”から遠ざけた国は珍しいようです。
例えば、お隣の中国では、日本の音楽大学に相当する大学が沢山作られていますが、「西洋のクラシック音楽」を学ぶ学部とほとんど同規模で「中国の伝統音楽」を学ぶ学部も存在しているのだとか。
トルコでも同様とのこと。


■さて、そんな経緯で、現代に生きる僕たちには「ドレミファソラシド」の音感が当たり前に備わっていて、逆に日本の伝統音楽を聞いた時の方が、どこかエキゾチックな雰囲気を感じてしまう傾向があります。

先日も、小学生の授業で日本の音楽を取り扱ったところ、子供達からは、
「なんか神秘的」「よその国みたい」
などの反応がたくさん返ってきました。

■こんな風に、日本の伝統音楽を聞いてどこか異国情緒というか、特別なもののように感じていたのは僕も同じです。
小学校6年の時、学校の音楽の先生から「さくらさくら」を伴奏するよう言われたので、
「伴奏譜をください」
とお願いしたら、
「日本音階使って適当に自分で作りなさい。」
ということで、日本音階の仕組みを教えてもらいました。

この時、初めてピアノで弾いた日本の音階(陰音階)が、なんとも言えず魅力的に感じ、かなり夢中になってピアノ版の「さくらさくら」を作りました。

僕がときどきソロ演奏のプログラムにのせる「さくらさくらの狂想曲」というのがありますが、その冒頭部分はこの時に作ったものです。





たぶん、邦楽がアツい!!



冒頭の箏を題材にした漫画「この音とまれ」もそうですが、2000年代あたりから邦楽や和楽器をテーマにした音楽が、じわじわと流行りはじめているように感じるのは僕だけでしょうか。
▶︎雅楽演奏家の東儀秀樹さんの篳篥(ひちりき)や、
▶︎吉田兄弟の津軽三味線あたりから始まって、
▶︎最近では、初音ミクの「千本桜」も日本的な音階をかなり多用していますし、
▶︎その「千本桜」をカバーした和楽器バンド(←バンド名です)もかなりの活躍をされています。


それから、僕が個人的に好きでよく聞いている和楽器のグループがあって、それは琵琶ユニットの
「びかむ」
というグループです。

楽器の演奏ももちろんなのですが、琵琶奏者の坂田美子さんの声もかなりの魅力。
オリジナルの歌も素敵ですし、古典ものの「平家物語」や「竹取物語」もおもしろく聞けます。(おそらく現代人の僕らにも聞きやすく少しアレンジされているんだと思います。)



いつか、ライブにも行きたい。


■さて、僕自身は日本の普通の音楽大学で、西洋の楽器であるピアノを専攻し、西洋音楽を学んだ人間です。
今でもヨーロッパやアメリカ辺りの音楽を演奏します、そしてそれを教えています。
でも、そういうものに取り組めば取り組むほど、自分が日本人なんだ。ということも同時に意識させられます。
日本人である自分が、遠く離れた土地の文化を通して自分の中身を見ていくんですね。

ただ目の前の作品をこなしていくことだけで精一杯だった自分から、
今は音楽を「演奏すること」「教えること」「楽譜を書くこと」と、自分の「生き方」とをどう繋げていけるのか。
ということも重要になってきました。
(といっても、決して深刻な訳ではなく、基本は「ごきげん」ですよ!笑)

そんな中「邦楽」というのも、僕の興味の中に少しずつ入りはじめていて、何か形にできることはないかと、色々とアンテナを張り始めたところです。




10月27日(土)17時 〜最高にオシャレでグラマラスな一夜を。






GLAMOROUS NIGHT pre
2018年10月27日(土)17時開演
会場:STATION STUDIO HATAGAYA

【出演】
歌:舟橋千尋、前田めぐみ、鈴木俊介、井出壮志朗、
ピアノ:織井香衣、谷川瑠美、野口幸太
音楽監督:横山修司
ステージング・ディレクター:清水龍之介
会場 :STATION STUDIO HATAGAYA
主催:GLAMOROUS NIGHT project




野口幸太ピアノ教室 新規のレッスンを一旦締め切ります








(2018年9月14日現在)
日吉・綱島地区のピアノ教室です。
現在のところ、レッスン可能な人数が上限に達したため、一旦クローズいたします。
募集状況については、随時ブログ上にてご案内をいたします。

▼当教室のレッスンスケジュールは、「毎週◯曜日◯時」という固定制ではなく、毎月ごとに講師と生徒さんの都合が合う日時を設定しております。
(レッスンのご予約はインターネットの予約システムを利用しています。)
その他詳細につきましては、ピアノ教室のページをご確認の上、お問い合わせフォームからご連絡ください。


まる一年かけて編曲を行ったlabo opera絨毯座 「マハゴニー市の興亡」のオケ演奏部分をまとめてみました。
楽しかったな〜〜♪
今後は歌込みの部分も少しずつ動画にしてシェアしていきます♪