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2018.6.7ピアノ教室

ピアノを止めさせられちゃう。


「練習をしないから(親に)ピアノを止めさせられてしまうかもしれない・・・。」
小学生の生徒君がポロっと言ったひとことでした。
お家の人が、実際にはどんな状況下で言ったのか、どんな意図があったのか、そもそも本当にそんなことを言われたのかどうかもわかりませんが、ちょっと寂しい言葉です。
何故かというと、どうあれ彼自身もまた「練習しない人=ピアノを弾く資格なし」という謎のルールを信じてしまっている一人だということがはっきりしたからです。

・ピアノは日々の練習なしには上達しません!
・一日ピアノを練習をしないと一週間分戻ってしまいます!
・家にピアノがないと習えません、せめて電子ピアノくらいはなくちゃダメ!

いち習い事にしては随分とハードルの高い条件揃いだと思いませんか?
これは、かつて生徒をどれだけ「音大に進学させたか。」「コンクールで入賞させたか。」がそのまま教室・教師の評価に繋がっていた時代があり、その頃からなんとなく作られていった風潮がまだ根強く残っているんですね。

やたらと練習を強要する親も良かれと思ってやっていることなのでしょう。
もしかしたらエールのつもりで言うこともあるのかもしれません。
でもその言葉の一つ一つは、「楽しくピアノを弾きたい」という気持ちの裏側に罪悪感としてベタッと張り付いていき、
酷くなると身動きが取れなくなっていきます。
「練習しないといけない!」ということは、「練習しなかった僕がピアノを弾いてはいけない。」に繋がるからです。
とんでもないことです。

そして教師、我々が全力を尽くすべくは「いかに練習させるか」ではなく、「いかに好きにさせるか」。
子供の行動はちゃんと後から付いてくる。

先の生徒君の話の続き、、、
「練習する気持ちがないわけではないけれど、友達と遊びたいんだよな〜ぁ・・・・。」

「いいじゃん!!そんなの我慢しちゃダメだって!! いっぱい遊んどいで!!遊べ、遊べ〜ぃ!!」。
思春期まで秒読み段階に入ってきた年齢の生徒君。
渋〜〜く固まっていた表情が和らぎ、いつものハイタッチでお別れの儀式をし帰って行きました。

僕の所にきてくれている生徒さんの中には、お家に楽器がない人も少なからずいます。
自宅での練習は不可能なことを承知の上でレッスンをしている子も多いです。
更には大手の音楽教室でレッスン恐怖症のような状態になってしまい、それでもピアノはやめたくなくて。と、駆け込んで来た子たちも少なくない。
他にも、就活期間真っ最中の大学生、
仕事をしながらの社会人、
音大進学を目指す高校生、、、
色々な人が集まってくれています。
もちろん、全員ちゃんと上達していきます。
だけど僕にとっては、上達に向けて試行錯誤してきた道、その道中で経験した喜怒哀楽、こっちの方がずっと貴重な財産です。