ピアニスト野口幸太Officialwebsite

menu
close

体験レッスン受付中です。その他レッスンに関するご質問などお気軽にお問い合わせください。

Blog ブログ

2018.6.14ブログ

「弾く」の先にあること


「何を弾いたらいいかわからない。」と悩んだ時は、
今自分がピアノを弾くことで「どんな気分を味わいたいのか」を考えるとその時のベストな一曲に巡り会えるかもしれません。
僕はピアノを弾くことは大好きですが、やっぱりどう考えてもピアノ自体が生きる目的にはなり得ず、手段のひとつですから、
・・・ってことはやっぱり選曲自体が目的にはなり得ないです。

そう言えば、食事とか旅行もそうだと言いますね。
美味しいものを食べたい!と思う時、実は美味しいものを食べること自体を求めているのではなく、
美味しいものを食べた時に感じる幸福感を求めてるんだ。っていうあの話です。
裏を返せば「幸福感」さえ得られれば、もしかしたら必ずしも「美味しいもの」である必要はないかもしれない。
つまり、手段はどれでも良い!ってことですね。

選曲もそれと似ているところがあるように思います。
例えば僕の場合は、なんとなく自分を奮い立たせたい時によく弾く曲があって、
それは清塚信也さんの「SOUND SEEKER」という曲です。
曲としてのエネルギーの強さと、3分間弾き終わった時にちょっと息が切れてる、って位の心地よい運動感が、いい刺激になるみたいです。


だけど、「自分を奮い立たせたい」という目的が十分に達成されるなら、
なにもこの曲に拘る必要はないわけです。

星の数ほどある曲の中から、その時ベストな一曲を探す!というのは、時として難しい時もありますが、
そんな時は、今自分が何かを弾くことで「どんな気分を味わいたい(=どんな経験を求めてる)」のかについて自問自答してみると、
意外とベストな一曲が見つけられるかもしれません。

ちなみに、この数週間、僕は20年以上ぶりに「50番チェルニー」を弾いて楽しんでます。
楽譜の整理をしていた際にたまたま手にとり、「あ、なんかやってみたいかも。」と始めてみたところ、火がつきました。(笑)
中学〜高校にかけて僕を苦しめ続けたこの練習曲集、、、、
それどころか、当時の僕にピアノを弾くことへの罪悪感すら植えつけた曲集です。(笑)
(これがまともに弾けないと音大なんて無理!と言われ続け、僕はこれをまともには弾けたことがなかったから。)
案の定、今再び楽譜を開いてみても憶えている曲は一曲もありませんでした!!
本当に嫌いだったんだな〜〜〜ぁ。

が、今になって一曲一曲さらっていくと、すごく楽しい!!
この歳になってわざわざチェルニーを選んで弾くことで、僕は一体何を楽しんでいるんだろう、、、と考えてみたら、、、、
なるほど!!今の僕がこれを弾くということは、満足にこなせずにいた中学〜高校の頃の自分をもう一度振り返って、勝手に背負ってしまっていた罪悪感を取り外している作業なんだ!!
ということに気がつきました。
この目的が達成された時、僕の「50番チェルニーブーム」は終わるんだろうな〜って思います。