少し日にちが開いてしまいましたが、3月24日、ステップコンサートが無事に終了しました。
なんと言っても、良いメンバーに恵まれたコンサート。
一人一人の奏者としての実力はもちろんなのですが、
どう形になるかは、本番で演ってみないとわかんない。。。
という、チャレンジングなプログラムをおもしろがってくれたから、
だから、色々なアイディアが生まれて、もっとおもしろいことになっていく。
僕、最近思うんですよね、、、
物事って、どうおもしろがれるか、、、に尽きるんじゃないかって。。。
反省、反省、反省モードで改善していくやり方もあるけれど、
僕は、自分自身がよりおもしろがれるやり方を探していく方が好き。
さて、このステップコンサートは、
東京北区を中心に活動をしていらっしゃる
「クラシック応援団」という有志のみなさまが、
中央工学校内のステップホールで開催しているコンサートです。
1年に2回コンサートを開催し、それが今年で15年目になったとのこと。
僕が最初にこのコンサートに出させて頂いたのは、
たぶんまだ20代の頃で、その時は単に伴奏者として出演しました。
それから数年後に、今度はコンサートの企画者として呼んで頂くようになり、
企画者としては今回で3回目です。
若い音楽家たちの可能性を引き出すお手伝いをしたい!
という、趣旨のコンサートですから、
無難なことをやってるだけじゃ趣旨にそぐわないな!
と、僕は判断したんですよね。
だから、僕がステップコンサートで企画をさせてもらう時は、
よそではなかなか実現できないけれど、
本当はこんなことやってみたい!
と思う、編成、編曲、形態での
コンサートやオペラ上演にチャレンジさせてもらってきました。
おもしろいことに、ここでチャレンジさせてもらったことが、
今の僕の音楽家としてのスタイルのベースになっているんですよね。
特に僕らの世代までの人間は、
音楽大学という教育機関で学んだり、
そこを目指して勉強をしてきたりする過程の中で、
「良し」とする音楽家像が徐々に一本化され、
凝り固まっていってしまいがちなところがあります。
コンクール、試験で点数が取れる演奏は○、
所謂、世界の巨匠と呼ばれ、
由緒正しい音楽ホールで連日のように立っている演奏家が素晴らしい。
特に日本人は「皆が良しとすることが良し」という傾向がありますから。
■それ自体が良い悪いということではありません、
これが、日本人が民族として生き残っていくための知恵のひとつだった、
という話も聞いたことがあります。
ただ、もちろん、ほとんどの音大生や、音大の先生たちは、
上記のようにクラシック音楽において、
最も理想的とされる場所にはいないわけですから、
良しとする理想の形と、現実との間での葛藤が生じる。
そして、それぞれの居場所やスタイルが模索されていく。
僕の場合は、
“素晴らしい”とされているコンサートやオペラに出かけても、
何故か途中で飽きて寝てしまったり、帰ってしまう自分が居たりした。
こんなに素晴らしい!と言われているのに。
あんなに、その場所を求めて頑張ってきているはずなのに、ナゼ??、、、と。
そういった経験の繰り返しの中で、
「素晴らしいってなんだ?」
「いい公演ってどういうこと?」
「音楽を続けてどうする?」
なんてことを、意識的にも無意識的にも、
自分に問いかけ続けてていたんだと思います。
そんなプロセスの要所要所で、ステップコンサートに関わらせていただき、
毎回、好き放題のことをやらせてもらいました。
好きにやらせてもらうことで、
僕はこの方々に育てて頂けたのだと思っています。
そんなステップコンサートも、15年目を迎えた今年で終わりにする。
とのことです。
とても残念で、寂しいことです。
でも、節目なんですよね、きっと。
■・・・余談ですが、
僕がお世話になり、今でも時々手紙のやりとりをさせて頂いている
現役の小学校の校長先生がいるのですが、
その先生が書く「校長ブログ」に、
「竹は節目があるから成長ができる(という話を児童にした)」
という記事があがっているのを読んだばかり。
僕もこの節目の時に、
■改めて主催の皆さまへの感謝の思い、
■今までなんだかんだと、自由に音楽をさせて頂けてきたことへの感謝、
そういう気持ちがき自分の心の中に在る、ということを確かめて、
またすぐ次に来るだろう節目へと向かっていこうかな。
と、思うのでした。
第29回ステップコンサート
2019年3月24日
会場:中央工学校 ステップホール
「STEP QUINTET」
■出演
野口幸太(ピアノ)、原悠一(チェロ)、日比野慎也(パーカッション/ドラム)、廣瀬史佳(ヴォーカル)、藤田美斗里(サクソフォン)
主催:クラシック応援団
後援:中央工学校生涯学習室、(財)日本文化生涯学習振興会21
ステップ・クインテット再び!?
ステップコンサートのためだけに結成したつもりだった「STEP QUINTET〜ステップ五重奏団」ですが、
変幻自在の五重奏団!として、今後も活動していくことになりました。
まずは5月に池袋!!
歌:廣瀬史佳
サックス:野村亮太、藤田美斗里
パーカッション:日比野慎也
ピアノ:野口幸太
詳細はまた改めて。
音楽系、ポータルサイト「ソノリゴ」にステップ五重奏団のページを作りましたので、
ご覧ください。
STEP QUINTET
スライドショー!「グラマラスナイト」(2月16日)
2月16日に開催した「THE GLAMOROUS NIGHT(ザ・グラマラス・ナイト)」の舞台写真を、本番の音源に乗せてスライドショーにしました。
写真撮影はauraY2の深谷義宣さんです。
ソプラノ:川越塔子、西本真子
テノール:鈴木俊介
バリトン:井出壮志朗
ピアノ:野口幸太(MC)、織井香衣、谷川瑠美
■スタッフ
企画・統括: 横山修司
制作・マネージメント: 野口幸太(AtoK labo)
制作協力: 福永綾子(ナヤ・コレクティブ)
ステージ・ディレクション: 清水龍之介
楽曲アレンジ: 野口幸太、織井香衣、谷川瑠美
主催:GLAMOROUS NIGHT project
■演奏曲目
•アイヴァー・ノヴェロ:
「Glamorous Night」よりGlamorous Night、Fold Your Wings
「The Dancing years」よりWaltz of My Heart
「Perchance to dream」よりWe’ll Gather Lilacs
•ロバート・ライト:
「KISMET」よりAnd This is My Beloved
•フレデリック:ロウ:
「My Fair Lady」よりShow Me
•エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト:
「Die Stumme Serenade」よりSerenade、Shönste Nacht
•ミッシェル・ルグラン:
「Le demoiselles de Rochefort」よりChanson des jumelles
•クルト・ヴァイル:
「Marie Galante」よりJ’attends un navire、Le Roi d’Aquitaine
「Street Scene」よりLonely House
•アンドレ・プレヴィン:
「A Streetcar named desire」よりI want magic!
他
「野口幸太ピアノ教室」募集状況
ただいまのところ、代表講師である野口クラス、及び今年から開講した月曜担当講師の久保田クラス、共に募集を停止しております。
新たに募集を開始する場合は、当ブログに於いてもご案内をさせていただきます。