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2018.5.7ピアノ教室

これって、マジシャンだ!?①/「調性を巡る旅」の別ルート

タイトルの「これって、マジシャンだ!?」は、現在、音階と調性の学習に取り組んでいる小学生の生徒の口から思わず飛び出した驚きと感動のひと言でした。
「目を丸くする」という言葉の実例を示してくれた彼の様子に、多分当の本人よりも嬉しかったのは教師である僕自身だったかも。
更に続くセリフはこうでした。
「・・・音階ってスゲェ〜んだ〜ぁ〜。」
こんな風にため息混じりに音階というものに感動した憶えは僕にはありません。
嬉しいと同時に、ちょっと羨ましく思いました。
ーーーーーーーーーー
さて、先月ご紹介した 調性を巡る旅」
あの主人公の彼は、その後も引き続き納得のゴールを目指して歩き続けています。
やはり予想していた通り、「嬰ト長調は存在するのか問題」に遭遇したものの、
「ダブルシャープ」というものがあることを探り当てた彼は、とりあえず「嬰ト長調はある」ってことにして先に進むことにしたようです。
これが今かなり面白い展開になっていますが、その行方はまた機会あった時にでもご紹介するとして、、、
今日は別のルートを辿っている生徒さんのレッスン風景を書こうと思います。

・道順は違うもの
目的地は同じでも、そこに到るまでの道順は様々です。
周囲の景色をじっくり楽しみながら進みたい人もいれば、とにかく前だけを見て前進あるのみ!という人もいます。
かと思えば、これでもか!というほど地図を何度も確かめながら、ゆっくりじっくり進んでいく方が安心なんだ!という人だって・・・。
レッスンでも同じこと。
その子、その子の好み、個性によって、自ずと道順は変わっていくようです。

・旅の参加条件は一緒 
とは言っても、「調性を巡る旅」では共通の参加条件はあります。
・小学生以上であること。
・全音と半音の区別が瞬時に着くようになっていること。
・ハ長調の音階を単音で弾けるようになっていること。
・♯と♭を“一応は”知っていること。
と、これらは前記事で書いたことと同じですが、ひとつ大事なことを書き忘れていました。

・絶対音感の邪魔になる可能性
それは、「絶対音感が付く可能性のある年齢のうちはやらない」ということです。
なぜかというと、鍵盤上で音を弾き、耳で聴きながら音階の構成音を見つけ出していくこの学習は、相対音感を育てる訓練でもあるからです。
「ある一音」と「別の一音」の間の音程を“相対的に聴き比べる”訓練は、“一音ごとの音名(音の高さ)”を他の音と聴き比べることなく“絶対的な記憶”として結びつけていく絶対音感の訓練の邪魔をする可能性がとても大きいのです。
つまり、絶対音感の訓練では音の聴き比べをさせてはならず、「聴き比べの方法がある」と勘付かれた時点で、絶対音感の成長は止まっていくものというのが、現時点での研究の答えです。
もちろん、絶対音感を持たなくても音楽は十分に楽しめますし、きちんとした相対音感の訓練をすることで、ピアノの演奏することに支障はありません。
ただ、絶対音感があると便利なことは確かです。
この辺り、本格的に説明しようとするとかなり長大なことになるので、ここでは割愛します。
とにかく、絶対音感がまだ育つ可能性のあるうちは、小学生になっていたとしても、まだ音階の学習は行いません。
【補足】
・グラスなどを叩いた時の音程が全部わかる。というのは少し極端な例と言っていいと思います。絶対音感と一口に言っても程度の差は様々です。
・絶対音感がついた後は必ず相対音感の訓練もしなくてはなりません。「絶対音感の耳=音楽的な耳」ではありませんので要注意です。

・“別ルート”の概要
これから紹介する別ルートは、音階・調性の仕組みをより感覚的に理解していくこと。という点に配慮してスタートしました。
使う教材(プリント)は同じですが、音名欄は終始空欄のまま、テトラコードの法則を使って、鍵盤上にシールを貼っていき、それを耳で確かめていく。


前回のは、音名も同時に書き入れていくことで、シャープやフラットだけでなく、ダブルシャープやダブルフラットの用法、異名同音の定義なども同時に学習していくことになるのですが、若干論理的思考が必要になります。
こちらは、音名を意識させない分だけシンプルになり、より感覚に特化して進めていけるメリットがあります。
そして、ひと通り調性を巡り終わった後に、もう一度自分が辿ってきた道を振り返ってみる。というのが大体の筋書きです。

ということで、調性を巡る旅のスタート!!

・・・・と、いきたかったのですが、ここまでで随分と長くなってしまいました。
続きはまた今度ということで。笑


風の谷のナウシカ「オープニング曲」を弾きました






映画よりも先に曲を知った、という作品。
小学生の時、超簡単アレンジのナウシカの楽譜をもらい、
当時の僕は、「な〜んて、いい感じなんだ!」
と、幾度となく弾き遊びました。
映画の存在を知ったのは、もう少し後になってからだったと思います。