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2022.8.15YouTube

発達障害の子供へピアノ指導で感じた3つの効果を語ります

ピアノ教師の野口幸太です。
今回は、発達障害のお子様方へ、ピアノ指導をしてきた中で感じている効果について、3つの側面からお話をしました。

発達障害のお子さんをお持ちで、今後ピアノを習わせようか検討中の保護者の方、
また、発達障害のお子さんのレッスンで悩んでいらっしゃるピアノの先生方にとって、少しでも参考になれば幸いです。



【効果1】コミュニケーション能力が付く

ピアノレッスンは、教師(大人)と生徒(子供)が1対1で向かい合いながら、しかも長期間継続していく、類稀なる習い事です。
家族未満、友達以上の、絶妙な関係性の中で、多くの意思疎通が行われます。
逆から言うと、円滑なコミュニケーションなしには、レッスンは成立しません。
発達障害のお子さんの中には、一般的な方法でのコミュニケーションが難しい場合も多くあります。
完全なるパーソナルな学びの場だからこそ、その子その子に合わせたコミュニケーション方法を徹底的に探り、その子にフィットする声がけ、表情や動作など、非言語での意思疎通などを見つけだします。
そうして関係性を築けるようになった時には、その子は既に、ピアノ教室以外の場所でも、彼らなりのコミュニケーション能力を発揮することができるようになっています。

【効果2】本人にとってのベストな学習方法が見つけられる

例えば、同じ曲を弾くのでも、いくつもの練習方法、学習方法があります。
大雑把に言えば、視覚的に見せる方が早い子もいれば、言葉で説明することで理解が得られ易い子もいる。
とにかく、習得までのベストな道のりは人それぞれ、千差万別!とした時に、ここでも個人レッスンであることの強みが生かされます。
市販のテキストではフィットしない場合は、その都度、その子に必要な課題やテキストを作るなどして、個々のベストを探る。
そうして、レッスンをカスタマイズしていく過程の中で、実はその子本人が、自分にとってのベストな学習方法を知らず知らずのうちに身につけていきます。
また、第三者として見学している保護者からしたら、レッスンにおいて、僕が成功している様子だけでなく、失敗している様子も、観察することができます。
第三者目線で観察し得たことを、家に持ち帰って、今度は保護者自信が家庭学習の中で生かすこともできます。


【効果3】自信が持てるようになる

ここで言う自信とは、◯◯が出来るようになったから・・・というような、条件付きの自信とは違います。
そういう自信は、実は結構モロかったりします。
それよりも大事なのは、自分軸を持つことで自ずと湧いてくる“そもそもの自信”です。

クラス授業やグループレッスンでは、必ず個人差というものが目に見えて発生します。
指導する側は、個々の能力差を鑑みて、バランスをとった指導・評価をしていくことが求められますが、これは口で言うほど簡単なことではありません。
フラットな目線を持ち、どこに照準を置いて指導をするか・・・というのは、とっても難しいことなのです。

難しいのは、子供たちにとっても同じこと。
例えば、A君が一生懸命取り組んで、1段階上達できたことは、本来とっても素晴らしいことです。
でも、そんなA君の横で、10段階分の上達をしてのけたB君が居たりすると、A君はついつい自分が果たした素晴らしい成果のことを忘れて、劣等感を背追い込んでしまいます。

くれぐれも、他者との比較が悪いと言っているのではありません。
だけど、比較することで苦しんでしまっている人に対しては、その必要はないんだということを伝えてあげるべきだと思うのです。

ピアノレッスンの様に、パーソナルな学習の場では、自分の10倍の速さで上達できる“あの子”のことは、よその子のお話。
君は君として君の速度で全うに積み重ねていくことで、きちんと成長していくことができる。
完全なる絶対評価、つまり自分軸。

これが持てる様に、細心の注意を払いながら行うのが個人レッスンです。
そして、いつかその子が自分軸を持てるようになった時、本当にどこまでも広がりのある最高のレッスン時間を過ごせる様になります。

ピアノレッスンを通して、ひとつでも、多くの笑顔が生まれることを祈っています。
心より。