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2019.10.23ピアノ教室

心の設定で気がつく子供の能力




音楽家の野口幸太です。
僕が運営しているピアノ教室の、発表会が近づいてきました。
(僕の教室では、希望者だけ発表会に参加する。というスタイルです。)

僕は、必ずしも全員が発表会の経験をする必要はないと考えていますが、
もしその経験をすることを選ぶなら、
この機会をひとつの節目として、
生徒・教師、お互いの成長のために、
存分に役立てよう。

というスタンスでいます。

補足ですが、竹は節目を作ることによって、
自らが確かな成長をしていくのだそうです。


“無意識の力”に気がつくこと



人の行動は全て、その人の思い・思考に基づいています。
そして、その行動から導き出される結果も、
心地良いものだろうと、一見、嫌と感じるものであろうと、
全て自分が望んでいることを、そのまま現実化させています。

「いや、そんなことない! 私はそんな結果は望んでいなかった!」

と言っても、それは気が付いていないだけです。

▶︎例えば、発表会の本番まで残り期間わずか、という段階にきても、
まだ、譜読みすら完了していない子がもいたりします。

その子に聞くと、
「出来ることなら、自分が満足のいく演奏をしたい。」
と答えます。

なるほど、やっぱりこの子は自分の望み通りの結果を、今この場で体現しているわけだ。

▶︎意識の上では・・・「満足したいとは思うけど“出来ることなら”で良い。」
▶︎無意識の中では・・・「出来なければ、それはそれでもまあ仕方ない、OK。」

両者は、側面が違うだけで、ひとつの同じ意識です。
つまり、「弾けなくてもまあOK」という心の設定になっていて、
その設定に基づいた行動が積み重なり、今の結果に結びついているわけです。

もっと簡単に言えば、ピアノを弾くことよりも優先させたいことがあった、ってこと。

でもね、だからと言って、
この子が素晴らしくないわけではありません。
僕よりも色々なことに気がつくことができ、
たぶん僕より数段も上をいく聡明な女の子です。

だから、僕は繰り返し伝えます。
・何をどう選択しようとも、あなたの価値は変わらないこと。
・ピアノが上手い人が、価値が高いわけではないこと。
・ピアノを弾かなくたって、ここに来ても良いこと。


ただ、全ての行動、全ての結果は、
他でもない、自分自身が選択して起こしていることだ。
ということを知るだけでいいんです。


心の設定を変えてみる


【有意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)】の比率は【3:97】という学説がある。
と、聞いたことがあります。
もしそうであるならば、人の行動の97%は「無意識」が決めているということになります。

97%の全てを意識化し、書き換えることは難しいかもしれませんが、
大まかな心の設定を変更することは出来ます。

先ほどの彼女は今日、この60分のレッスン時間の間、
心の設定を変えてみることにしました。

「100%満足のいく演奏をすることにする。」

すごい勇気です。
100%なんて、なかなか口に出せるものじゃありません。
でも、口に出した時点で、それはもう実現したも同然。

心も、頭もそのゴールに向けて一気に動き出し、
部屋中の空気が彼女を中心にして渦巻き始めるような、
そんな緊張感が生まれます。


さっきまで、譜読みすらできていなかった曲、
ひとつひとつの音、手指の動き、どんどん吸収していきます。
演奏も見違えるものになります。


だけどもちろん、こんな短時間で突然上達したわけではありません。

「これは、元々あなたが持っていた能力なんだよ。」

彼女はにっこりして帰って行きましたが、
僕は僕で心が震えまくりです。

・教えることは教わること。
・教師であることは生徒であること。
・僕が生徒にかける言葉は、僕自身がかけられるべき言葉。
ですから!

前述の通り、僕は発表会というイベントを「節目」と捉えてます。
生徒・教師が共にググンッ!
と成長していくための機会として、このイベントを使う。
僕の心の設定がそうなっているのでそうなります。