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2019.9.1ピアノ教室

小さな「イイね」を沢山ひろって出来た「楽しむ心」は最強なんです




【7時間ノンストップでレッスンをする。】
という時間割の日が、月に4日あります。

「疲れるでしょ。」
「お腹空くでしょ。」
などと気づかって下さる方もいらっしゃり、
中には差し入れを持参して下さる生徒さんや保護者の方もいて、
これはありがたいことです。

ご厚意はご厚意として、ありがたく受け取らせて頂いてます。
ところが、当のボクとしては、
7時間までであれば、実はほとんど問題ありません。

いや、そうじゃないな、、、
もう少し正直なことを言うと、
ある下準備さえしておけば、
「長時間だから」という理由での問題はおこり様がないんです。


つまりこれって、逆から言えば、
「長時間で疲れちゃって、最後までもたない〜」
なんて状況になった時は、
とるべきだった事前対策を施していなかったということになり、
これはボクにとって、職務上の重大インシデントになります。


■このことについて具体的な説明をする前に、
ボクのベースとしてのスタンスについて、
お話する必要がありそうです。


◾️ボクは基本的に、どんなモノゴトでも、
良し悪しのジャッジは自分自身で決められるものだと確信しています。

つまり、目の前に対峙している現実を、
▶︎良いものとして捉え、更に発展させていくか、
▶︎悪いものとして捉え、怒り・不満・悲しみ・嫉妬の念を膨らませていくか。
これは、自分で選択できる。
ということです。


それでね、おもしろいことに、
「楽しむこと」を心底決めた心は、
楽しい側面しかキャッチしなくなるんですよね。

ときどき頭をもたげてくるネガティブに一瞬足元をすくわれることはあっても、
それ以上引きずり込まれることはない。

■ほんとに不思議だけど、
「“そう”と思ったら本当に“そう”なる」んですね。


とはいえ、ボク自身、そういうことに気が付けるようになるまでには、
けっこう時間がかかりました。

色々なきっかけがあるけれど、
大きなものの一つとして、
持病の“てんかん”とかがわかり易いかも。

■高校の時に脳腫瘍の手術を受け、
まあ、そっち(腫瘍)は解決したけれど、
一般的に、「開頭手術をすると必ず一生つきまとうことになる」
と言われているのがてんかんです。
で、ボクも例にもれず、てんかん持ちになったわけです。

だから今でも脳神経外科に通って、
抗てんかん薬を(ほぼ)毎日飲んでます。

・・・で、ボクの場合はてんかん持ちになってから24年の経験上、
次の二つの条件を満たすと発作を起こすことがわかってきました。

【条件1】
薬を飲み忘れた時。
(逆を言うと、薬を飲んでいるのに起こしたことは一回もない。)

【条件2】
ただただヤケになって身体と頭を疲労させた時。
(本当はそんな必要がないはずなのに、勝手に自己犠牲して満足感を得ようとした時、かな!?笑)

この2つの条件ってつまり、
自分の身体や、
自分が今人並みに生活できていることへの感謝を
忘れてる時なんですよね。


■てんかんにも色々あって、
ボクの場合は、大発作と呼ばれる類の規模が大きめのやつです。
(といっても、ボク自身は発作中の記憶は全て飛んでしまうので、リアルな自覚はないのですが。)

エクソシストの映画を見たことありますか?
まさにあんな感じで、全身が硬直・痙攣し、唇は真紫に変色し(チアノーゼ)、
雄叫びのよな声を上げる様相で、子供が見たら泣きます。
(実際、小学生当時の妹がボクの発作を目の当たりにした時にそうでした。
お化けに取り憑かれたと思ったそうです。)

回数こそ少ないものの、 一度起こすと、体調が完全に回復するまで、
やっぱり数日から一週間くらいかかります。

でもね、誤解しないでもらいたいのが、
だからと言って、ボクは可哀想でも気の毒な存在でもないんですよ。
むしろ逆。


■女優の樹木希林さんは、
最後の14年間は癌と戦いながらお仕事をこなしていた。
なんて書かれることが多いですが、
ボクは樹木さんの著書をいくつか読んで、
彼女は決して病気と“戦っていた”わけではないんだろうな。
って、思ったんです。

彼女の文章には、
「病気は、自分の浅はかさを教えてくれるもの。」
という主旨のことがたくさん書かれていました。


■ボクの場合のてんかんも一緒。

てんかん患者の中には、
効果がある薬を探すことだけでも苦労している人がたくさんいる中、
ボクは、今飲んでる薬が効いているだろうことはほぼ間違いないわけです。
つまり、コントロールが出来る病気。

それにも関わらず、
今はちょっとメンドくさいから後で飲もう、、、なんて言っているうちに、
結局飲み忘れてしまうことがある。

ボクが脳腫瘍を患った身でありながら、
今現在、普通の生活を送ることができているのは、

▶︎過去の手術でボクの命を救ってくれたドクターやナース
▶︎今現在、ボクに必要な抗てんかん薬を処方してくれているドクター
▶︎薬を開発してくれた製薬会社の人、
▶︎処方された薬を売ってくれる薬局の薬剤師さん、

たちが、プロの仕事をしてくれているからです。

いや、本当はもっと沢山の人たち、例えば、
▶︎薬の原料を作っている人
▶︎出来た薬を運んでくれる人
▶︎ボクが医師の治療を受け、薬を買うために必要なお金をボクの元に回してくれる人
▶︎あとは、ボクが低額で医療を受けることができるのは、
納税してくれている沢山の人たちのおかげでもあるんだよね。


だから、ボクが生きるためにきちんと薬を飲む。
という行為は、この人たちへの感謝を表すことでもあると思うんです。


そんな当たり前の大事なことを忘れきって、
傲慢にな態度になってしまっている時、
ドカーン!!と大発作。

そこでようやく、ボクは我に返ることができるんです。
ああ!!そうだった、そうだった〜!!って。

痙攣による全身の強烈な筋肉痛と、
極度の倦怠感は、
大事なことを思い出させてもらった授業料みたいなもんですね。

本当に色々なことを病気を通して教わったから。

■で、ボクがこの病気になったことで得た、最大の収穫。
それが、病気という、ネガティブの裏側にも必ずポジティブが貼り付いていて、
そのどっちを選択してもOK。
だけど、ポジティブを選んだみた方が、だいたい上手くいく。
と知ったことでした。


ここに書いたことは、ボク個人のてんかんという病気との付き合い方ですから、
てんかん患者全員にそのまま当てはまることではない。
ということはくれぐれもご理解くださいね。
特に、合う薬が見つからず、連日の発作に悩まされている人は多いんです。




■で、話を「7時間のレッスン」のことに戻してと、、、
やっぱり、「7時間」っていうのは長いんですよ。
だからこそ、ここでわざわざ話題にしているんです。

でも同時に、ボクにとっては
「連続7時間までであれば、事前の心構え次第で実施可能だ。」
という話を書いているんです。

もし、長時間レッスンで、最後まで体力とモチベーションをキープできなかった場合、
ボクの中にあった“無理”な要素を、無理という形のまま放置した状態でスタートしてしまった時です。
ネガティブをネガティブなまま残してしまったということです。

■じゃあ、どうすればいいのか。
そんなに難しいことではありません。

例えば、
→食べ物の消化には消化酵素が必要ですが、
ネガティブの消化には、理性が必要です。

「イヤだ!」の裏側に必ず貼りついている「イイね!」を冷静に探し出し、拾い集めること。

感情としては「イヤ!」なわけですから、
その反対側を観察するためには、感情とは反対の理性が必要だということです。
落ち着いて冷静に眺め観察すれば、
どんなネガティブにも必ずポジティブが貼り付いていることが見出せます。

そこに気がつき始めると面白いっすよ!
だって、「イヤだ」の数だけ「イイね!」があるってことだからね。

で、そうやって探し出した「イイね」を沢山拾い集めて出来上がった「楽しむ心」は、もう最強なんです!!

どう最強かと言うと、
ボクが頭を使って意図的な何かをしようとしなくても、
ほとんど勝手に「楽しい領域」にボク自身を連れて行ってくれるんです。

不思議なことに、相手もその流れに乗ってくるようになる。
これはほとんど自動運転の世界です。

で、自動運転が完了し、全てが終わったあとは、爽快感そのもの!
そりゃ〜ちょっとは疲れも残ってるけど、心地よいやつね♪


■ちなみに、ボクは今のところ「連続7時間レッスン」までは実施するけど、
「連続8時間レッスン」はやりません。
それはどうしてかというと、ボク自身が「8時間は無理」と直感しているからです。

最初の方にも書いた言葉、、、
本当は、色々と説明しなくても、
全てはこの言葉に尽きるのかも、
「そうと思ったらそう」

だからボクは「楽しむこと」を決めて過ごします。

ごきげんよう♪




現在、「野口幸太ピアノ教室」新規レッスンの募集は行っておりません





日吉、綱島地区のピアノ教室です。
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ボクの教室に興味を持って頂けて、本当に嬉しいです。
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ボクのクラス、久保田彰子講師による月曜クラス共に、
新規での募集を停止させて頂いている状況でいます。

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このブログでも随時ご案内をさせていただきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。