【日本クラシック音楽コンクール】の審査をしてきました。
コンクールは勝負の世界ですから、全てのコンテスタントの演奏が点数化され、その優劣で入賞が決まります。
第28回 日本クラシック音楽コンクールの審査をしてきました。
Twitterでちょっと書いたことですが、もう少し膨らませて考えて見ようかなと思います。
演奏を点数付けすることのジレンマ、
でも、だからこそ自分の中の正解を見出そうとする力が起きるのも事実。
もし、音楽を評価することは不可能と結論付けてしまったら、コンクールも音大も、義務教育の音楽も存続出来ないことになるんです。 pic.twitter.com/K5xxlQd8gJ
コンクールの話をすると必ずついて回るのが芸術に対して点数が付けられるものなのか。という疑問。
有名な国際コンクールなんかでは、審査員の点数がwebで公開されることが多くなってきましたが、同じ演奏者の同じ演奏を聴いているはずなのに、点数にバラつきがあることが珍しくありません。
そういった事象を巡って、一部の音楽ファンの間で物議が醸し出されることもあります。(まあ、それもまた一つの風物詩と言ってもいいのかもしれませんが。)
“評価すること”が前提の「音楽科教育」。
ところでみなさんは、義務教育における「音楽の授業」は必要だと思いますか?必要でないと思いますか?
「あった方がいい」と思う人は多いように思いますが、
「自分の子供には学校以外の場所で音楽教室に通わせるから必要ない。」と考える人もいるかもしれません。
一般に「音楽科教育」と言うと、公教育の場である学校で行われる、「教科」としての音楽のことをさします。
では、学校の「音楽科教育」と、民間(個人経営も含む)音楽教室で行われる「音楽教育」との違いは何かというと、前者には必ず「評価」が付きまとうという点です。
学校の先生は子供たちの理解や達成の度合いを常に観察・評価して、成績をつけなくてはならないのです。
なにをどう判断し、評価に繋げるのかはとても難しい問題で、これについて研究するのが「音楽科教育学」です。
もし仮に「子供の音楽的能力を評価することは不可能であり、評価する意味はない。」と結論つけた場合、「音楽科」は学校教育の科目から排除されることになります。
でもこれは学校に限ったことではありませんね。
そもそも「音楽(演奏)に点数を付けられない」となると、音楽大学で行われている試験、世界中で開催されているコンクールの全てが成立しなくなってしまいます。
指針を持つこと
■日本クラシック音楽コンクールでは、審査発表時に審査員全ての点数が貼り出されます。
また、審査員は一人一人のコンテスタントに対して、A4紙面のうち2/3程度のスペースで、コメントを書くことになっています。
基本的には「良い点・悪い点」の両方を書かなくてはなりません。
つまり、講評用紙のコメントそのものが、その審査員の審査の指針であるとも言えます。
これは審査員自身の音楽観、審査員としての素質もまた計られているということです。
■学校の音楽科教育はどうでしょうか。
通常、歌やリコーダーなどのテストは、教師の思いつきで突然行われるものではありません。
(「授業のテクニック」として、わざとそう見えるように演出することはあるかもしれませんが。)
「演奏」の中には様々な要素がありますが、教師は、今回学習する曲において「特にどの要素を重要視して教えるか。」をプラン立てておきます。
従って、テストは子供達の達成度を計るだけではなく、教師自身が「どこまで子供達に教えることができたか。」を計るものでもあります。
■こんな風に「評価の指針」というのは、そのままその人の「演奏家としての指針」「教育者としての指針」とほとんどイコールになるんですね。
それは、元々持っている素質、これまで学んできたこと、経験などから形作られていくのでしょうか。
■確かに、芸術である音楽に対して、マラソンのタイムや、算数のテストのような絶対的な数値としての評価を下すことは不可能に近いことなのかもしれません。
ただ、「もしかしたら不可能なことなのかもしれないけれど、自分なりの指針をもって評価をする」というのはけっこう大事なことのように思います。
・自分は何を良しとして、何を悪しとするか。
ということを改めて考えさせられることは、人生の選択にも繋がっていきますね。
コンクールにおいては、
コンテスタントは、その時に集まった審査員という他者の目線から「点数」という形で、自分の演奏に対するフィードバックを受ける。
その内容に納得しようがしまいが、全ては「真剣に弾いた側」と「真剣に聴いた側」との対話であり、この経験はお互いにとってその先に繋げていけるもの。
それは、わざわざ点数をつけなくてはいけないコンクールだからこそ得られる、ちょっと特別な経験なのかもしれない。と思いました。
10月27日(土)17時 〜最高にオシャレでグラマラスな一夜を。
GLAMOROUS NIGHT pre
2018年10月27日(土)17時開演
会場:STATION STUDIO HATAGAYA
【出演】
歌:舟橋千尋、前田めぐみ、鈴木俊介、井出壮志朗、
ピアノ:織井香衣、谷川瑠美、野口幸太
音楽監督:横山修司
ステージング・ディレクター:清水龍之介
会場 :STATION STUDIO HATAGAYA
主催:GLAMOROUS NIGHT project
オモシロ楽器「カズー」の練習日記
アフリカ発祥のオモシロ楽器「カズー」の練習風景を動画にまとめてみました。
僕的には、遊びでもあり研究でもあります!!
野口幸太ピアノ教室 新規のレッスンを一旦締め切ります
(2018年9月29日現在)
日吉・綱島地区のピアノ教室です。
現在のところ、レッスン可能な人数が上限に達したため、一旦クローズいたします。
募集状況については、随時ブログ上にてご案内をいたします。
▼当教室のレッスンスケジュールは、「毎週◯曜日◯時」という固定制ではなく、毎月ごとに講師と生徒さんの都合が合う日時を設定しております。
(レッスンのご予約はインターネットの予約システムを利用しています。)
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