高校の三年間学んだ武蔵野音楽大学付属多摩音楽教室の25周年記念コンサート「修了生によるコンサート」に出演させていただきました。
作品は、やはり同じ教室出身で作曲家の小田実結子さんによる「岸田衿子の詩による3つの歌曲」〜《移る季節》《スノードロップ》《南の絵本》。
歌手は僕よりも一回り以上年下のソプラノで新田理紗さん。フレッシュなエネルギーに満ち今後のご成長がたのしみな歌い手さんです。そしてもちろん、彼女もこの教室の修了生。
新しい作品が生まれる瞬間に立ち会うことができて嬉しく思います。
このたった三曲、演奏時間にして15分弱のために個人での練習開始が1月。3月からかなりの頻度でリハを重ね、本番ホールでの事前稽古回数延べ4回。(←こんな恵まれた環境は普通はない!)重ねた稽古の分だけ曲や詩の理解も深まる反面、「深みにハマる」ということもあったりして・・・。
それでも、せっかくの新作物の演奏。次のリハでは前回と同じことはしない!最後の最後まで作品や自分たちの演奏の可能性を探っていこう!!というのがテーマでした。
結果的には、すごく面白い数ヶ月間になり、新たに学ぶことも多く貴重な期間だったと思います。
もともとは「音大なんてあなたには無理!!(受からないよ。)」と、バッサリと言われたところから始まったのが僕の音大進学までの道のりです。
(小4の時に突然「音大に行きたい!」などとのたまった僕に、当時の先生が「無理だろ!」と仰ったのも今ならうなづけます。だって本当に何にも弾けませんでしたし、楽譜すらろくに読めませんでしたから。)
そこから音大受験までの8年間のうち、最後の3年間を過ごしたのがこの音楽教室というわけです。
この年齢になって改めて訪れてみると、当時は自分でもあまり意識していなかった(多分見て見ぬふりしてた)入試への不安感や、(よく弾ける他の教室生と比べて)劣等感を持っていたことも思い出し、そういう面も含めてここの先生方は指導して下さっていたのかな。と思うと、とてもありがたい気持ちになりました。
そんな訳で、自分が弾く出番が終わった後も、なんだかずっとこの場で弾いていたい気分になり、終演後のカーテンコールの時間まで、楽屋にてさらっていました。
(さらっていたのはクルト・ヴァイルの「マハゴニー市の興亡」。今年はこの作品のために捧げる一年になりそうです。)
ところで、僕が楽屋として割り当てられたのは、在室当時合唱の授業を受けていた教室で、
一層懐かしい気分になりました。
そうそう!!
今日の本番には、作品の生みの親である作曲者:小田実結子さんは会場には来られませんでした。
今回作曲された三曲を「奏楽堂日本歌曲コンクールの作曲部門」に出品していたそうで、みごと譜面審査を通過し、演奏審査(本選)がこのコンサートの日程とぶつかってしまったためです。
(コンクールの方の演奏時間が午前中だったとういうことで、ほんの数時間の差で、我々はこの作品の初演者にはなれなかった!というのが惜しいところ。笑)
さて、帰宅後に嬉しいお知らせが入りました。
小田さんが書いたこの三曲は「第二位」及び「中田喜直賞」、「畑中良輔賞(最年少賞)」と、なんとトリプル受賞をされたとのことです。
やったね!!小田さん、本当におめでとう!
もののけ姫「アシタカせっ記」を弾きました
この映画が公開されたのは、僕が高校二年生の頃でした。
一回目に見た時は、話がちょっと複雑で理解が追いつかない。。。
という印象だったのですが、
どういう観れば観るほど味がわかってくる映画でした。
そしてこの音楽!
エンディングでこの曲の冒頭の弦楽器の音が聞こえてくるだけで涙が・・・
ジブリ映画の中で一番思い入れのある一曲かもしれません。