僕はアーティストとは、ピアノが弾けるとか、絵が描けるとか、そういう特殊能力を持った人のことだとは思ってません。
“本来の自分”の周りにこびりついている我を外し、浮かび上がってきた本質を、理性という道具を使って表現できる人のことだと思ってます。
だから、僕の周りには音楽家以外にもアーティストが沢山います。
社会保険労務士、エステティシャン、保険セールスマン、主婦、教師・・・・
色んなことが同時に起こった時、思考は混乱します。
混乱した状態でさらに思考しようとするから、ますます混乱を極めて、おかしな方向に転がり落ちていったりします。
そうなりそうな時は、アーティストノートを書きます。
心の中でうごめいている声を、ひとつひとつ言葉として抽出するんです。
言葉とはテキストであり理論、つまり理性。
でもこの理性は、自分の内側から発信されて生成したもの。
(実は西洋哲学的には、音楽もテキストなんです。)
僕たちは外側から受けた情報だけを頼りに、思考ガードをしがちです。
それももちろん大事だけど、そればっかりやってると、“我”がこびりつく。
アーティストノートは、我をこそげ落とす作業でもあるんです。
ちなみに、このノートは誰にも見せてはいけません。
一度でも誰かに見せてしまった瞬間から、このノートは自分との対話ではなくなってしまうから。
さあ、今日も自分を生きよう。