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2020.6.6ブログ

その人は「ファン」じゃないのかもしれない

おはようございます。
音楽家の野口幸太です。

先月、5月31日には、グラマラスナイトという、
僕(たち)にとっては、ちょっと特別なコンサートを開催する予定だったのですが、
残念ながら延期ということになりました。
【▶︎延期告知ムービー】



「演奏」を主たる収入源としている音楽家にとっては、
今は試練の時とも言うべき期間で、
僕の仲間の中でも、この状況に苦しんでいる人がいることを知っています。
知っておきながら、その人たちに貸す知恵を持ち合わせていない自分の絶望的な力不足を、
冷ややかな目で見ている自分自身もいたりします。
「音楽で笑顔を広げる」ってのは言葉だけのこと?って。。。
これは僕の課題です。頑張ります。

そんな中、本来であればグラマラスナイトの本番を迎えていたはずの5月31日、
メンバー達やスタッフ達と、オンラインで軽い飲み会のようなことをしました。

僕も含めた全員が、「演奏家」としてはほぼ廃業状態にありますが、
あるメンバーが「ファンの方から、ささやかな演奏の仕事をつくってもらった。」
というエピソードを聞かせてくれました。
シンプルに、すてきな話だな。って思いました。

フリーランスで仕事をしていく上で、
ファンという考え方は、めちゃくちゃ大事なことだと思います。
#ホントは、サラリーマンや公務員にとっても大事だと思ってるんだけど

・・・佐藤尚之さんの「ファンベース」(ちくま新書)という本を、是非読んでください。

どんな仕事でも、そこには「お客」という存在があって、
その人たちとの繋がりの中で仕事をさせてもらい、
お金という形で、感謝を受け取ります。

ところが、このお客という存在に振り回されたり、
或いは、その人たちの反応を恐れるがあまり、
次のステップに進めず、その場に留まり続けている人も見かけます。

ホントのホントのことを言えば、
留まっている人は、(少なくともその時点では)留まっておきたいから留まっているので、
周りがとやかく言うことでもないのですが、
そんな結論で終わらせるんなら、わざわざブログ書く意味もないので、
僕なりの考え方をここでシェアしてみようと思います。

僕自身は仕事をする上で「お客」と「ファン」の違いを、割と明確に意識しています。
ただし、くれぐれも断っておきたいのが、
この話は、どちらかが「良い・悪い」の区別をつける目的ではない。
ということがあります。

大前提、物事や人のことを「良い・悪い」だけで判断しようとすると、
幸福度という観点からはあまり効率的とは言えません。
ですから、シンプルに「何を目指すか」という観点から、
受け取ってもらえたら嬉しいです。


ということで、「お客」と「ファン」の違いについて、
今日はこの記事につけたタイトルに沿って、
「僕はこういう人はファンとは考えていない」
という観点から書こうと思います。

僕がファンというカテゴリーの中に入れない人は、
「僕を過去の姿に留まらせようとする人」です。

具体的には、
▶︎前はあんなことやってくれたじゃないですか(なんで今はやってくれないんですか?)
▶︎変わっちゃったね。(前はこんなんじゃなかったのにね・・・)

のようなことを言う人たちです。

この人たちにとって魅力的だったのは、過去の僕の姿です。
もっと具体的に言うと、この人たちにとって必要だったのは、
過去の僕が創り、維持していた“場所やサービス(商品)そのものだけ”だったということです。
そして、この人たちは「ファン」ではなく「お客」です。
提供主が僕じゃなくてもOKな人たちです。

一方で、世の中はどんどん先に進んでいく。
という現実もあります。
先に進むということは、それ相応の変化が起こります。
より素晴らしいお互いの未来の姿を信じて、共に変化を歩んでくれる人。
この人たちを僕は「ファン」であると定義します。
そして、そういう人たちが、本当に困った時に手を貸してくれようとします。

僕たちが、必死に考え、行動を重ねたのちに、
新たな決断をすることに至ったのであれば、
声を聞くべき相手はこの人たちです。
そしてこういうありがたい人たちを一人でも多くつくっていくべきで、
「お客」を量産し、「お客」に振り回される仕事をするのは、幸福度が高いとは言えない。
そんなイメージです。

音楽業界から世の中を明るくしていくことを本気で考えてます。
今日も頑張ります。
良い一日を♪

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◆本日の動画【彼方の光】
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イギリスの少年合唱団「リベラ」の代表曲のひとつです。
心が洗われるような純粋な響きがたまりません♪


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野口幸太プロフィール♪
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歌が好きで、出かけ先の飲食店で有線がかかるとmyマイクを取り出して熱唱するような幼児だったとのこと。(お気に入りの歌は「氷雨」)

幼稚園の先生がピアノの弾く様子を真似し始めたのがピアノとの出会い。
その十数年後、武蔵野音楽大学、大学院でピアノを専攻する。

20代そこそこのキャリアで運良く、世界的プリマドンナ、E.オブラスツォワ氏の伴奏者として共演させて頂いたり、同志で立ち上げたオペラグループ「labo opera絨毯座」の公演が、「サントリー音楽財団(現芸術財団)第8回佐治敬三賞」を受賞するなど、運の良いキャリア経験を積むことができた。

「音楽で人に役に立つこと」を信条に、ピアニスト、音楽教育家、音楽イベンターとして活動を行なっていつつ、
横浜市港北区日吉・綱島地区でピアノ教室を主宰している。


▶︎野口幸太ピアノ教室の概要はこちらから。
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・発達障害の診断をもつ子へのレッスン、オンラインレッスンにも対応。